人工知能、IoTによる農業革命~超効率的農業~

こんにちは、今回は「人工知能と農業を掛け合わせた新しい試み」について記述します。
農業とは人類の発展に欠かせないものであり、現在当たり前のようにスーパーで購入している野菜や果物は、ほとんどが農家の方々が改良に改良を重ね、幾度もの工夫の上に完成した作物です。

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日本の農業就業人口は凄まじい勢いで減少

少子高齢化や産業構造の変化がもたらす農業への影響は計り知れません。今となっては若者に魅力ある仕事の一つとして受け止められる農業ですが、はやり天候に左右され、生き物を相手にしているだけあって休みが取れないなどさまざまなハードルが農業の後継者不足を加速化させています。日本は農耕民族だったのですが、現在農業を行っている方々の人数はというと、(下図をご覧下さい)

単位:万人、歳

平成22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年(概数値)
農業就業人口 260.6 260.1 251.4 239.0 226.6 209.7 192.2
  うち女性 130.0 134.5 128.4 121.1 114.1 100.9 90.0
  うち65歳以上 160.5 157.7 151.6 147.8 144.3 133.1 125.4
 平均年齢 65.8 65.9 65.8 66.2 66.7 66.4
基幹的農業従事者 205.1 186.2 177.8 174.2 167.9 175.4 158.6
  うち女性 90.3 79.8 74.7 72.9 70.1 74.9 65.6
  うち65歳以上 125.3 110.1 106.0 106.7 105.6 113.2 103.1
 平均年齢 66.1 65.9 66.2 66.5 66.8 67.0

資料:農林業センサス、農業構造動態調査 (農林水産省統計部)
注:1 「農業就業人口」とは、15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者をいう。
2 「基幹的 農業従事者」とは、農業就業人口のうち、ふだんの主な状態が「仕事が主」の者をいう。

こんな感じです。平成22年からの推移でも、たった6年で30%近く減少してしまうことがわかります。人口にして約70万人です。70万人というと、静岡市の人口とほぼ同じ数字です(ちなみに静岡市は70万5238人; 2015年)。平均年齢にしてアラサーならぬアラセブン、70歳弱といったところでしょうか。なぜここまで農業人口が減ってしまったのかについては説明を割愛しますが、人口減少、高齢化、後継者不足に伴うダメージは数字としてご理解いただけるものかと思います。そんな中、2016年10月12日~14日に千葉の幕張メッセで開かれた「次世代農業展」では、スマート農業といった、ITを活用した新しい農業ツールを続々と発表している企業がたくさんありました。
若者から高齢者まで扱いやすいユーザーインターフェースと、機械による監視で農業を行えるメリットとなる技術が集結していた次世代農業展でしたが、中でも多くの企業がアピールしていたものが「農業」×「人工知能」です。20年前、iPhoneのようなスマートフォンを国民の大半が持っているなんてこと、だれが想像したでしょうか。その携帯電話の普及と同じくらいインパクトのある技術が今回農業分野へ起ころうとしています。次から主題である「農業」×「人工知能」について記述します。

農業は人の手から機械へ

野菜は畑で栽培するのが基本ですが、現在さまざまな野菜が屋内で栽培できる技術が普及しています。しかしながら、化学実験室のように限定的な空間で行われるものではないため、トライ&エラーの末辞めてしまう農業人や企業が多く存在しました。しかしそれももはや過去の話。2016年からは人工知能やIoT技術の驚異的な進歩により、それら問題を解決へと導きます。
例えばレタス。消費電力の少ないLEDライトを照射し、光の波長を波長域をナノメートル単位で調整し、光の照射強度や時間も徹底管理でき、かつ室内の湿度や温度コントロールまでもが全て自動で最適化することができます。人工知能とIoTを利用することで、機械的に最適条件をコンピュータが導き、問題や管理については遠隔で利用者がコントロールする。 言ってしまえば、栽培地は東京でも、アメリカやイギリスから遠隔操作ができる仕組みになっているのです。家族旅行も楽勝といったところでしょうか。

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http://miraigroup.jp/technology/

楽して得なことは無い。大きな労力の伴う仕事にはよくある台詞ですが、そんなことはありません。寧ろ、コントロールは人間よりも機械が得意です。自然環境と極限まで近づけることで、無農薬栽培で失敗率の少ない野菜を栽培することができ、人の労力を大幅に軽減することができます。
実はレタスのように屋内栽培に限った話ではありません。最近何かと話題のドローンです。ドローンも恐ろしいほど進化し、今では10Lの農薬を空中散布することができ、バッテリーが切れかけると自動で離陸ポイントまで戻るシステムを搭載する機体まで登場しています。
また、圃場全体をカメラで撮影することにより、画像から水分量が足りない、雑草が生えている、などの情報すら読み取ることができます。そのため最小限の労力で最大限の農業効率を実現することができるのです。
ちなみに、なぜそんなことが分かるのかというと、大学や民間企業の研究成果が上手く世に活用できた例でもありますが、一般の方がカメラで撮影するのは可視領域、つまり目で見える色の範囲で対象物を識別するのですが、赤外線カメラ・近赤外線カメラによる画像では、水分量や温度をカラーマッピングすることで人間の目には見えない情報を得ることができます。例えば、23度以下は正常で、24度以上は植物葉面の平均温度が上がっており危険など判断することができるのです。

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年をとって、体が若いときのように動かない。重労働は難しい。。。そんな問題が過去にあったな~とささやかれる時代は既に目の前まできています。世界中で農業革命を起こさんとばかりに、イスラエルのベンチャー企業Prospera社(http://prospera.ag/)が7億円を調達するなど、アグリビジネスは加速の一途を辿っています。

生産から販売までといった第6次産業が政府より推奨されていますが、上手く技術を活用させた次世代農業が日本の農業課題をどう解決へと導くのか、注目したいところですね。