宇宙ゴミ問題を解決する最新技術、スペースデブリリムーバルシステム

 

宇宙工学の技術が発達し、今世紀はいよいよ宇宙ビジネスが盛んになってくることが予想されます。第一宇宙の中に存在する地球の大きさなどミジンコのように小さいため、衛星を打ち上げて目標の軌道に到達させればそれでOKというわけにはいきません。宇宙ビジネスを行う中で、人間が生み出したある問題がネックになっています。宇宙ごみです。

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宇宙ゴミの破壊力は凄まじい!30000個以上がウヨウヨ?

宇宙ごみとは何でしょうか? 

名前の通り、宇宙をうろついているゴミです。正式名称はスペースデブリと呼びます。このスペースデブリというゴミは、人間の食べかすとかそんなものではなく、衛星の塗装はがれや壊れたロケットの破片や本体を意味します。小さいものから、大きいものだと数メートルのゴミが約9000個確認され、それらはどの軌道でどの方向を進んでいるのか監視されています。しかし、確認できない破片を含めると実に30000個以上のゴミが宇宙を漂っているのです。

JAXAが宇宙ゴミのイメージ動画を公開しています。いかにゴミが大量に地球の周りをうろうろしているかイメージがつくでしょう。

http://www.ard.jaxa.jp/research_fy27/mitou/mit-debris.html

何が問題なのでしょうか。あたると非常に危ないのです。スペースシャトルや衛星が地球の周りを回っているスピードってご存知ですか?

V=(398600/(6378+H))1/2

上記の式は、人工衛星のスピードを表します。Hというのは地球上(地表)からの高度を表します。つまり、どれだけ高い位置に打ち上げたかでスピードは変わるのです。ここで、398600(km3/秒2)は地球の重力についての定数、6378(km)は地球の赤道半径です。次に、地上からH(km)の高さの円軌道を飛んでいる人工衛星の周期を計算してみましょう。周期とは、人工衛星が地球を一周する時間のことです。この軌道の円周は2π(6378+H)kmになります。これを人工衛星のスピードで割れば周期T(秒)が計算できます。

T=2π(6378+H)/V

高 度 速 度 周 期
200km 7.8km/秒 1時間28分
500km 7.6km/秒 1時間34分
1,000km 7.4km/秒 1時間45分
36,000km 3.1km/秒 23時間56分
380,000km 約1.0km/秒 約27日間

高度200キロでは、お米一粒の大きさがとんでもない破壊力を生む

高度200キロでは秒速7.4キロです。東京ー大阪間の距離は約550キロなので、高度200キロメートルの衛星は東京ー大阪間を74.3秒で駆け抜けます。一分ちょっとですね。つまり、めちゃくちゃ速いです。さて、このようなスピードが出ている衛星ですが、何も衛星だけがこんなに速いスピードで回っているわけではありません。宇宙ゴミも同様に超高速で地球の周りをぐるぐると回っています。もし、1センチくらいの宇宙ゴミが当たったとしましょう。そのときの衝撃は、車同士が衝突するくらいの威力がでます。1センチです。ここまでスピードがでると、お米一粒くらいの大きさでライフルなんか比べ物にならないくらいの破壊力が生まれます。

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こんなに高速で動いている宇宙ゴミですから、衛星はどんどん打ちあがって、比例して宇宙ゴミの数も増えるから回収することなんて無理でしょう。。。と思いきや、日本のJAXAがごみ回収に向け、世界をあっと驚かす研究を進めています。

JAXAが宇宙ゴミを回収する技術を開発中!

https://youtu.be/3EvCRR3BWKI

このイメージビデオは、導電性テザーを用いたデブリ除去方式を説明するものです。この方式では、デブリ除去衛星が、デブリ(このビデオでは軌道上に残留しているロケット上段部)に導電性テザーを取り付けた後、同テザーに電流を流し、地磁気との干渉により発生するローレンツ力を利用して、デブリを落下させます。この方式の利点は、デブリの降下に燃料や大電力が必要ないこと、デブリへの取り付けが比較的容易であることです。そのため、比較的小型の人工衛星でも実現できる可能性があり、有力な方式の一つとして、研究を進めています。注)導電性テザーを用いた除去方式は現在JAXAが検討を進めているデブリ除去構造の一つです。 参照:JAXA HP http://www.ard.jaxa.jp/research_fy27/mitou/mit-removal.html

宇宙ゴミ対策を行うことで、宇宙ゴミを少なくする、発生する数を抑える効果を図に表したのが下図です。2020年からのカーブになっていますが、本技術を用いることで200年間で8000個くらいまでに発生を抑えられると予想されています。

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今後の低軌道上物体の推移予測(参照:JAXA HP http://www.ard.jaxa.jp/research_fy27/mitou/mit-removal.html)

これまでの歴史からすると、指数関数的に伸びていた宇宙ゴミの数ですが、問題を解決する日本人気質の技術が、また人類を良い方向へ軌道修正してくれると確信しています。