自宅でビールを科学する。自家製ビールの注意点

居酒屋やBarで「とりあえず、ビール」と注文する方ってかなり多いのではないでしょうか。ビールって、酒造メーカーじゃないと作るのって難しいと思われがちです。確かに、作るための設備や温度条件など、色々考えてしまいますが、実はとっても簡単です!一度は自分で美味しいビールを作ってみたい!という方のために、自作ビールの作り方を伝授しちゃいましょう。と言いたいところですが、多くの方が自作ビールの造り方を細かく紹介しているので、今回は、ビールの自作方法について、特に自作ビールを成功へ導くための注意点について記述します。ただし、最初に注意しておきたい点があります。自作ビールには酒税法第7条、第54条より、税務署長の許可が必要です。国税庁より通達されている情報ですので、自作する気満々の方は絶対に確認してください。

oktoberfest-927666_640

まずは法律の確認を

国税庁HPより。
Q3 「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。
A 酒類を製造する場合には税務署長の免許が必要となります。
酒類とは、酒税法上、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることのできるもの又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)をいい、当該製品により製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になります。
ただ、ビールの製造免許は、年間の製造見込数量が60キロリットルに達しない場合には受けることができません。
購入された商品については、アルコール分1度以上にならないよ
う製造方法が取扱説明書に具体的に記載されていると思われますので、その注意書に沿って、アルコール分が1度未満となるようにしてください。
酒類の製造免許を受けないで酒類を製造した場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるほか、製造した酒類、原料、器具等は没収されることになります。
根拠法令等:
酒税法第7条、第54条

国税庁のQ&Aです。法律的には、年間60リットル以上つくらないと、免許が取れないので、個人でビールを作るために免許を取得することは困難でしょう。市販品、例えばブランデーなどの中に果実(ぶどうは除く)などを入れてオリジナルのお酒を作る場合はセーフです。ビールのみ非常に厳しい制約が課せられています。
酒税法に引っかからないためには、アルコール度数1%未満のビールを造ることだけ、頭に叩き込んでおいてください。

ビールの造り方は大きく4工程
① 麦芽を作る
② 仕込む
③ 発酵させる
④ 貯酒・熟成させる

工程別に分けると難しいイメージが和らぐのではないでしょうか。
このうち、①は大麦から作ると個人的なもはや無理な領域に達するので、買ってくるものとします。自作ビールで大変なのは、③の工程です。ビールを造るための機器は自作キットを買って、一気に揃えてしまいましょう。②の仕込みについて、注意点を記述します。まず、最初の仕込みで失敗すると全て台無しです。失敗しないための最初の注意点は簡単です。
殺菌を行う。
これが全てです。簡単に書いていますが、以外と不十分なままで自作ビールの作製に取り組み、失敗している方は多いと思います。殺菌といっても、食器と同じ感覚で洗って終了!と考えてはいけません。菌はなかなかしぶといのです。一番重要なのは、
アルコールで殺菌を行うこと。
消毒用・殺菌用アルコールスプレーは既に日用品として安価で販売されていますので、購入して仕込み前の事前準備として行いましょう。これは発酵段階で菌が繁殖しないための工程です。簡単に言うけれど、具体的にどの程度菌を殺菌すればよいのか。

答えは論文を参考にしましょう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/93/6/93_6_407/_pdf
こちらの論文では、科学的な菌の殺菌最適条件が載っています。少々難しい無いようですが、日本語ですし、殺菌に対する理解が深まると思います。

ビール醸造における微生物管理より第一図抜粋:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/93/6/93_6_407/_pdf

こんな感じです。

flies-161350_640

次に大事なステップは、発酵です。

18℃から26度の範囲内かつ直射日光があたらない環境でじっくりと発酵させましょう。2~3週間も経てば、出来立てのビールが出来上がるはずです。出来立ての地点では、市販品のビールと比べて”にごり”が発生しています。発酵期間を1ヶ月くらいにすると、澄んだ色の、より香りを楽しめるビールが出来上がります。ぜひトライしてみましょう。

自作ビールはキットが販売されている

あまり知られていませんが、ビールをキットが販売されています。自作ビール講座という形で詳しい作製方法を公開しているHPすら存在しています。→(http://www.auvelcraft.co.jp/beer/magazine/)
具体的な作り方はキットに掲載されていますので、ネットを参照するよりも、そちらを参考にした方が早いです。ネットでは作り方よりも殺菌方法など、周辺準備をしっかりとする等の情報を頭に入れておくほうが個人的に良いと思っています。以上です。