<カエンタケの対処法>危険な理由をわかりやすく説明。触ってしまったときの対処法も伝授!

[猛毒キノコ、カエンタケ。日本で発生頻度上がる!?]

カエンタケ。名前はかっこいいですが、見た目は全然キノコっぽくないですよね。日本にもカエンタケが生えているニュースを度々聞きますが、2016年9月23日の河北新報が発表したニュース(http://news.yahoo.co.jp/pickup/6215382)によると、今度は仙台で出現したとのことです。

images

Wikipediaより:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B1

カエンタケはjust looking「見るだけ!触っちゃダメ!」が鉄板ですが、何で触ったらダメなのでしょう。興味本位で指で一瞬だけツンツンしてみるとか、珍しいので手袋つけて収穫して持ち帰る、とか絶対にやめましょう。何でこんなにダメダメ言われているのか、理由を説明します。

[カエンタケの基本情報まとめ]

まずはカエンタケの基本情報をまとめてみましょう。

正式名称:カエンタケ

分類:ニクザキン目ニクザキン科ニクザキン属(ニクザキンばっかです)

スペック:極めて強い毒性を持ち、食べると死亡率が高く、触れることすら危険!

歴史:文政年間(1818年から1830年)の植物図鑑「本草図譜」に記述が残されていることから約200年前から知られていることが判明している。しかし、出現率の低さゆえ、詳細なスペックまでは明らかにされていませんでした。カエンタケのヤバさが分かったのは近年のことです。

発生場所:初夏から秋にかけて、広葉樹(ミズナラ・コナラ)の立ち枯れ木の根際や、地中に埋もれた倒木などから発生します。分類学的位置からすると、腐朽した木材が栄養源ではなく、木材の中に生息しているほかの菌の菌糸から栄養を得ている可能性があります。

毒性:かび毒として知られているトリコテセン類(ロリジンE、ベルカリンJ、サトラトキシンH及びそのエステル類の計6種類)。このトリコテセン類に皮膚刺激性があるので、触れると皮膚炎を起してしまう。→触ったらダメな一番の理由。

どのくらいヤバい毒なのでしょうか。

致死量はなんと、約3g。3gってどれくらいかというと、料理で使う小さじの軽量スプーン一杯程度です。なので、誤ってカエンタケをかじると生命の危機に陥ります。

万が一、誤ってカエンタケを食べてしまった場合、症状としては食べてから10分前後の短時間で症状が現れます。初期には腹痛、嘔吐、下痢を呈し、その後めまい、手足のしびれ、呼吸困難、言語障害、白血球と血小板の減少および造血機能障害、全身の皮膚の糜爛(びらん)、肝不全、腎不全、呼吸器不全といったどれも非常に危ない症状が現れます。もし助かったとしても、小脳の萎縮や言語障害、運動障害、あるいは脱毛や皮膚の剥落などの後遺症が残る場合があります。危なすぎです。(参照情報Wikipediaより: https://ja.wikipedia.org/wiki/カエンタケ#.E6.AD.B4.E5.8F.B2)

[しまった!触ってしまった!という方のための対処法]

食べてしまった場合はもはや自己責任(その場では吐いて毒を出す)ですが、触れてしまった場合は最低限の対処法で症状を緩和できる可能性があります。

触れてしまったときは、なるべく早く水で洗いましょう。できれば石鹸があれば尚良し。このとき、両手でごしごしすると、触れていない反対側の手にも皮膚炎を起こす原因であるトリコテセン類が影響を及ぼす可能性があるので、とにかく水(あれば石鹸)で洗い流すこと。

そして、速攻で下山して病院へダッシュすることです。ダッシュで下山しているときに、多めに水分補給をしましょう。おそらく、触れた場所は市街地ではなく山の中です。いち早く病院へ駆けつけられるように下山しましょう。

[敵を知ろう。触るだけでもヤバいトリコテセン類の弱点]

トリコテセン類はかつて、1944年のロシアのOrenburgにて、農民を多数死亡させた犯人です。原因は、冬季に雪ノ下になっていた畑の穀物(カビが生えていた)で作ったパンを食べたことなのです。

パンを作るときって、オーブンで焼きますよね?熱で死ぬんじゃないですか?

という当然の疑問が出ます。

しかし、このトリコテセン類は482度で10分、あるいは260度で30分の加熱で不活性化させることができる=つまりオーブンの温度くらいじゃ死なないんです。

パンの種類にも依りますが、オーブンの温度って200度くらいで焼きますよね?200度程度じゃトリコテセンは元気もりもりです。サウナに入っているくらいの感覚でしょう。

じゃあどうやって殺菌するのか。ここが大事です。

論文によると、環境中のモノの表面の消毒においては、アルカリ性の中での次亜塩素酸の使用が有効です。5%の次亜塩素酸ナトリウム溶液だけで6時間以上の接触時間で消毒されることがあります。一方、1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に0.1Mの水酸化ナトリウム溶液を加えて1時間の接触時間で消毒されることがあります。これが弱点です。

参照:横浜市衛生研究所(http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/mycotoxin1.html)

ざっくり言えば、山の中で自力で治療するなんて不可能に近いです。繰り返しになりますが、我々人間ができる最良の対処法は、触ったらとにかくダッシュで病院に行きましょう。

最後に、トリコテセン類の論文についていくつかご紹介!

  1. USAMRIID`s medical management of biological casualties handbook ( Blue Book : 6th edition , April 2005): U.S.Army Medical Research Institute of Infectious Diseases ; Fort Detrick  Frederick , Maryland , U.S.A.
  2. Medical aspects of chemical and biological warfare; Borden Institute, Walter Reed Army Medical Center, Washington, D.C., U.S.A. ; May 1997.
    ROBERT W.WANNEMACHER,JR.,PH.D. AND STANLEY L.WIENER,M.D. ; Chapter 34 “TRICHOTHECENE MYCOTOXINS” ; p. 655-676.
  3. Jonathan B. Tucker ; The “Yellow Rain” Controversy: Lessons for Arms Control Compliance. ; The Nonproliferation Review/Spring 2001 ; p. 25-42