リオオリンピック閉会式のAR(拡張現実)技術③|ビジョンベースについて

ARのビジョンベースは2つの型がある

お待たせしました。

Part2では拡張現実の世界について、ロケーションARについて説明しました。Part3ではビジョンベースのARについて説明しますね。

AR(拡張現実)のビジョンベースという技術は大きく2種類があります。

マーカー型のビジョンベースAR

マーカーレス型のビジョンベースAR

どちらも共通している言葉は「マーカー」ですね。マーカーというと、勉強するときに蛍光ペンで重要なところを強調したり、工事現場やパソコン上のファイルに色やチェックをつけたり、様々な意味合いで利用されます。それらに共通するのは特定のところを認識することですね。

やや抽象的なことを述べましたが、具体的に説明していきます。まずはマーカー型のビジョンベースARから。

マーカー型ビジョンARのメリットは、原理が簡単かつ初級者でも試すことができる

コンピュータ、特に拡張現実の世界でいうマーカーとは、「ある決まった形のものを認識させ、さらに情報を開示する」ことを意味します。日常生活に溢れている二次元バーコードはARか?については勘違いされる方が多いのですが、あれは正確にはARではありません。二次元バーコード技術はカメラにより正方形のバーコードを認識させることにより、ある特定のURL先まで飛ばすことのできる技術を指します。マーカー型のARは二次元バーコードのように、単純な形状の集まり、それこそ二次元バーコードのようなモノクロの正方形が集まってできた形状のものは機械が画像処理上認識しやすいためであり、必ずしもそうでなくてはならないという決まりごとはありません。

では、具体的にマーカー型のビジョンベースARはどのような場面で活用されるのでしょうか。

イベントなど、集客目的で使用する場合

これがほとんどです。百聞は一見にしかず、ということで写真を見ていただきましょう。例えば、

ph02_588x

引用元:http://ascii.jp/elem/000/000/514/514146/

こんな感じですね。モノクロ階調の単純なパターン(=マーカー)から、キャラクターが出現しています。なお、このキャラクターはカメラを通して見ることができるのであって、現実世界に突然出現するものではありません。子供向けやアニメ好きの方にイベント会場などでこのような仕組みを設置すると、ウケがよさそうですよね。自分で作ってみたい!という方向けに「AR Tool kit(http://www.hitl.washington.edu/artoolkit/download/#windows)」という便利なツールがあります。こちらのツールは基本的なプログラミング知識があれば、自力でマーカー型のビジョンARを作成することができますので、ご興味があればぜひDLしてチャレンジしてみてください。サイトはこのような画面です。

artoolkit

DLサイトからは、下記の3点をDLしましょう。

  • ARToolkit-2.71.2.tgz
  • DSVL-0.0.8b.zip
  • OpenVRML-0.14.3-win32.zip

もうちょっと補足情報を。上記に加えて、もう一つDLしていただきたいものがあります。GLUTです。3次元描画を行うときの補助ツールですが、これを忘れてしまってはおしまいです。DLサイトはこちらから→(https://www.opengl.org/resources/libraries/glut/)

open-gl

この二つをDLした後にインストールに手順は

DLUT → ARToolkit

の順番で行ってください。そっからはGoogleで調べるなど、自力で頑張るのみです。全部ここに書くと自作の面白みが無くなってしまいますよね。

ヒント☆プログラミングに慣れていない方は最初の関門→カメラとの連携でつまずくことが多いです。

「C:\Program Files\ARToolKit\bin\Data」の中にある「WDM_camera_flipV.xml」からメモ帳などで中身を見てみてください。

<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″?>

<!–Sample XML file generated by XMLSpy v2005 rel. 3 U (http://www.altova.com)–>

<dsvl_input xmlns:xsi=”http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance” xsi:noNamespaceSchemaLocation=”省略”>

<camera show_format_dialog=”true” friendly_name=”PGR”>

<pixel_format>

<RGB32 flip_h=”false” flip_v=”true”/>

</pixel_format>

</camera>

</dsvl_input>

太線のところです。friendly_name=”PGR”を連携させたいカメラに変更しましょう。

マーカーレス型のビジョンARはかっこいいけれど難しい

続いて、マーカーレス型のビジョンARについて記述します。画像を見ていただくと早いと思いますので、早速こちらをご覧下さい。

ph01_588x

引用元:http://ascii.jp/elem/000/000/514/514146/

柔軟剤のファーファーをカメラで映すと、画面上にファーファーのキャラクターのくまさんが立体的に飛び出ているように見えますよね。そうです。マーカーレス型のビジョンARは単純な目印を読み取るマーカーとは異なり、認識するものは物体になります。何を映してもファーファーが飛び出ることはなく、ファーファーという柔軟剤を認識して初めてくまさんが出てくる仕組みです。このマーカーレス型のARを作成するのは、知識が無ければ開発することができないので、挑戦したい方は参考本の購入をおススメします。

マーカーレス型は山や歴史的な建造物など、マーカーが置けない場所に対してもARを設置できるという大きなメリットがあります。しかし、物体認識の精度やキャリブレーションなど、画像処理に課題が多いのがこのマーカーレス型。将来的にはこのマーカーレス型ARがBtoBマーケットを盛り上げるのではないかと思っています。

マーカーレス型のビジョンARを活用すれば、通販カタログへの応用や新聞に一緒に挟まれている広告や、毎日のようにポストに投函され、見もせずにポイ捨てさせられるチラシの付加価値を高めることができます。通販カタログでは、二次元画像の洋服や製品にスマホをかざすと、画面内で3次元立体像にて回転して商品を見ることができたり、料理本などでは、画像にかざすと調理の過程を動画で見せることができたりするので、企業が行うマーケティングによっては非常に有効的であると考えられています。子供向けの動物図鑑などに機器をかざすと恐竜や動物、植物が飛び出て動いる様子を見ることができるのもマーカーレス型のビジョンARで実現できちゃいます。未来的で面白いですよね。

雑多な文章になりましたが、以上がビジョン型ARの2つのタイプです。ARに関する面白い技術ができたら、またご紹介したいと思います。

コメントはこちらから

*